名曲小話 ハンガリー舞曲 ブラームスが作曲したのではない?編曲? クラシックでヨーロッパさんぽ
ドイツの作曲家・ブラームスは若い頃、ハンガリーのヴァイオリニストとともにヨーロッパを演奏旅行しました。
旅先で、 北インドからハンガリーに移住してきたジプシーの舞踏音楽を知り、感銘を受けます。
それらをブラームスは楽譜に書き起こしました。
その10年以上後、採譜された曲をもとに全21曲のピアノ連弾曲「ハンガリー舞曲集」を完成させます。
作品を発表すると、たちまち人気爆発!
後にブラームス自身により管弦楽用などに編曲し出版。こちらも大人気!!
すると、一緒に演奏旅行をしたヴァイオリニストや、 他のハンガリーの作曲家たちから訴訟を起こされてしまいます。
「ブラームス自身が作曲したものではないのに、 自分の作品として発表している」という著作権侵害の訴訟。
なぜともに旅をし、ともに音楽をしてきた仲間たちが訴訟を起こしたのか。人気が出てきたブラームスへの嫉妬が一端にあったのでは…と言われています。こわい…。
しかし、ブラームスは事前に楽譜に“作曲”ではなく“編曲”と書いておいたので、裁判で勝利! 賢い!!
成功や人気への嫉妬は、今も昔も変わらずあるのですね。
ブラームスは出版楽譜にジプシー音楽を“編曲”しましたと明記。
ジプシー音楽への真摯に向き合う姿が垣間見えます。
大好きな作曲家のうちの一人です。
後にチェコの作曲家ドヴォルザークに「舞曲集を出したら(儲かるから)いいよー♪」と勧めています。これまたすばらしいスラヴ舞曲を産み出すこととなります。
ちゃっかりブラームスさん。
ハンガリー舞曲集 連弾
ハンガリー舞曲集 オーケストラ
いざ演奏しようと思うと、ハンガリー風特有の緩急、クセみたいなものがとても難しいこの曲たち。
ホンモノの土くささが出るにはもう少し年齢を重ねなければと思うのです。
そんなブラームスの魅力的な作品たち、また紹介していきたいなと思います。